翻訳と辞書
Words near each other
・ ヴァッカー・チロル
・ ヴァッカー・ブルクハウゼン
・ ヴァッケイラス
・ ヴァッケラス
・ ヴァッケン・オープン・エア
・ ヴァッサゴー
・ ヴァッサロード
・ ヴァッサー (小惑星)
・ ヴァッサークッペ
・ ヴァッサートリューディンゲン
ヴァッサーファル (ミサイル)
・ ヴァッサーブルク
・ ヴァッサーマン
・ ヴァッサー・クレメンツ
・ ヴァッサー大学
・ ヴァッサー女子大学
・ ヴァッジ
・ ヴァッジ国
・ ヴァッスーラ
・ ヴァッスーラ・ライデン


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

ヴァッサーファル (ミサイル) : ミニ英和和英辞書
ヴァッサーファル (ミサイル)[みさいる]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ミサイル : [みさいる]
 【名詞】 1. missile 2. (n) missile

ヴァッサーファル (ミサイル) : ウィキペディア日本語版
ヴァッサーファル (ミサイル)[みさいる]

ヴァッサーファル 遠隔操縦式地対空ロケット(Wasserfall Ferngelenkte Flakrakete)は、第二次世界大戦中にドイツペーネミュンデで開発された地対空誘導ミサイルである。ヴァッサーファルの意味は「滝」。
== 技術上の特徴 ==
ヴァッサーファルは基本的にV2ロケットの地対空型として開発され、両者は基礎的なレイアウトと形状を共有していた。このミサイルは攻撃に来た爆撃機が飛来する高度に到達できさえすればよく、またそれらを破壊するにはもっと小さな弾頭で必要充分とされた。そこでV2ロケットよりも非常に小さな、約4分の1のサイズが可能となった。また、ヴァッサーファルには、より高い運動能力を与えるために胴体中央部に4枚のフィンが追加された。
V2ロケットとは異なり、ヴァッサーファルは最高で一カ月間、発射準備完了状態で待機し、命令一下で即発射できるよう設計されていたため、V2ロケットで使われる揮発性の液体酸素は不適当だった。V2ロケットの"Ofen-B"エンジンでは18基の推進剤の噴射装置が燃焼室の頂部に備えられていたが、同心円状に配置された噴射装置に置き換え〔Engines A-4 〕〔、ケロシンと酸化剤として常温での保存が可能な硝酸を推進剤として使用する"Ofen-C"エンジンを搭載するA8の計画が進められたが中止され、その成果がヴァッサーファルに取り入れられた〔。新型エンジンの設計にあたり、ヴァルター・ティール博士が開発したVisol(ビニル・イソブチル・エーテル)と、SV-Stoff、または94%の硝酸に6%の四酸化二窒素を混合した赤煙硝酸(RFNA)がベースとなった。 Visolは石炭液化の副産物で液体燃料が逼迫していた当時でも入手が比較的容易だった〔。窒素ガスのタンクから燃料タンクが加圧され、加圧供給によりこの自己着火性推進剤は燃焼室へと圧入され、混合、燃焼された。ヴェスビウスというコードネームがつけられたロケット基地から、ヴァッサーファルは発射されることとなっていた。この基地は、発射時の事故で発生する自己着火性の燃料の漏洩に対する耐性を有していた〔。
誘導は、昼間目標に対する使用のため、単純な無線制御MCLOS方式であることとされた。しかし夜間使用においては目標もミサイルも簡単には見えず、もっと相当に複雑だった。ラインラントとして知られた新システムはこの任務のためのものだったが、いまだ開発途上だった。ラインラントはレーダーユニットを目標走査のために使用し、またミサイル内部のトランスポンダは飛行中に探知を行い、地上の無線方位測定器で誘導された。簡易なアナログコンピュータは、ミサイル発射後に、可能な限り速く走査用のレーダー・ビームの中へと弾体を誘導した。トランスポンダーはその探知に用いられた。どちらの位置も、射手は単一のディスプレイでこれら両方を「輝点」として見ることができ、またミサイルを日中のように目標まで誘導した。発射フェイズ中の操縦は、液体燃料ロケットだったので加速が緩慢で安定翼が機能する速度に達するまでは不安定な飛行で燃焼室からの排気流の中へ配された4枚の黒鉛製の推力偏向ベーンにより行われ、また、一旦高速の対気速度に達したときには、ロケットの後尾に装着された4枚の尾翼の空力舵面により操舵した。指令は、Hs 293滑空爆弾を操縦するのに用いられた、ケール・シュトラースブルグ(コード名はブルグンド)ジョイスティック・システムの改良型を使用することでミサイルへ送られた。このシステムは、地中海において連合国の艦船に対し、幾度か重要な成功を収めた。
原型の計画では100kgの弾頭を必要としていたが、誘導の精密さに対する懸念のため、液体爆発物をベースとした、306kgの質量を持つもっと巨大なものと交換された。この考えでは、敵爆撃機の流れの中に、大きくて効果的な爆風地帯を生み出すこととしていた。配備された各ミサイルは、数機の爆撃機を撃墜し得ると想像された。昼間使用のため、射手は遠隔操作によって弾頭を爆発させることができた。
概念的な設計は1941年から開始され、最終的な仕様は1942年11月2日に決定された。最初のモデルは1943年3月に試験された。しかし1943年8月に実施されたハイドラ作戦によりペーネミュンデが爆撃され、ヴァルター・ティール博士が亡くなったことで、開発計画は大幅に後退した。1944年1月8日の発射は失敗した。これは「フィッツリンク」エンジンがつけられ、亜音速の速度で高度7kmにミサイルを打ち上げた。続く2月の発射は、垂直飛行において770m/s(2,800km/h)の速度に達する成功を見た〔。3月8日には第三の試作ミサイルが最初の発射成功を迎えた〔。この後、3基のヴァッサーファルの試験発射が1944年6月末までに完了した。1945年2月17日、ペーネミュンデが撤退により空になる頃には35基のヴァッサーファルの試験発射が完了していた〔。
スウェーデンで計画されたヴァッサーファルの無線誘導方式を使用したV2ロケットであるBäckeboロケットは、1944年6月13日に墜落した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヴァッサーファル (ミサイル)」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.